婦人科一般について

婦人科は、女性のライフステージに応じた体の変化や健康上の悩みに対応する診療科です。
月経に関するトラブルやおりものの異常、下腹部の痛み、不正出血、更年期症状など、女性特有の症状や疾患に幅広く対応します。

当院では、日本産科婦人科学会専門医の女性医師が診療を担当し、デリケートなお悩みにも安心してご相談いただきやすい環境を整えています。

婦人科はすべての年代の女性が対象です。
思春期の月経異常から妊娠可能年齢の生理や子宮の疾患、更年期以降の体調変化まで、年齢にかかわらず、気になる症状があれば早めの受診をおすすめします。

以下のような症状がある方は、婦人科の受診をご検討ください。

  • おりものの量やにおい、色が気になる
  • 月経不順や月経痛がつらい
  • 不正出血がある
  • 下腹部や腰の痛みが続く
  • 性交時の痛みがある
  • 尿もれや頻尿などの排尿トラブル
  • 更年期と思われる症状(ほてり・動悸・イライラなど)がある
  • 性感染症が心配
  • デリケートゾーンのトラブル
など

気になる症状があるときは、我慢せずお気軽にご相談ください。

おりものの異常

おりものとは、子宮や膣から分泌される粘液のことで、膣内を清潔に保ち、細菌や異物の侵入を防ぐ役割があります。
通常は無色透明〜白っぽい色をしており、においはほとんどなく、月経周期や体調によって量や状態に多少の変化があるのが正常です。

しかし、色やにおい、量、性状に明らかな変化がある場合は、体の異常を知らせるサインかもしれません。
おりものの異常は、性感染症やホルモンバランスの乱れ、腫瘍など、さまざまな原因で起こります。

異常なおりものには、以下のような種類があります。

  • 黄緑色や灰色で、悪臭を伴う
  • 白くポロポロしたカス状(カッテージチーズ状)
  • 血が混じる、茶色っぽい
  • 泡立っているように見える
  • 量が急に増えた、または水っぽい
など

これらの状態からは、次のような疾患が疑われます。

  • 細菌性膣炎:灰色〜黄緑色のおりもので魚のようなにおい
  • カンジダ膣炎:白い酒粕状、ヨーグルト状、かゆみを伴う
  • トリコモナス膣炎:膿状で大量、黄色や悪臭を伴う
  • クラミジア感染症:粘液状で薄い黄色
  • 子宮頸がんやポリープ:茶褐色の血が混じるおりもの(不正出血)

異常がある場合には、膣分泌物の培養検査や内診、超音波検査などを行い、原因を特定します。
原因に応じて、抗生剤や抗真菌薬の投与、必要に応じて子宮がん検査も行います。

おりものの変化は、ご自身では見過ごしやすいこともありますが、早期発見・早期治療のためにも、違和感を覚えた時点での受診が大切です。

ご予約の際は、「婦人科検診・おりもの異常・その他の診察またはその他診察」を選択してください。

月経異常

月経とは、妊娠に備えて子宮内膜が厚くなった後、妊娠が成立しなかった場合にその内膜が剥がれ落ち、血液とともに体外に排出される生理的な現象です。
通常、月経周期は25〜38日、月経期間は3〜7日程度が正常範囲とされます。
また、出血量や痛みには個人差がありますが、日常生活に支障をきたすような場合は注意が必要です。

月経異常には主に以下のような種類があり、原因も多岐にわたります。

過多月経・過長月経

「過多月経」は出血量が非常に多い、夜用ナプキンを頻繁に替える必要がある、レバー状の血の塊がみられるといったものです。
子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなど子宮の異常、血液の病気などが原因となる場合がありますが、特に異常が無い場合もあります。
一方、「過長月経」は月経が8日以上続くといった状態です。
子宮筋腫や子宮腺筋症など子宮の病気、無排卵周期症などの排卵の異常が原因となることがあります。
過多月経と過長月経は同時に見られることもあり、その場合、貧血になる可能性があります。

過少月経・過短月経

出血量が極端に少ないものを「過少月経」、1〜2日で終わってしまうものを「過短月経」と言います。
原因としては、ストレスや更年期などでのホルモンバランスの乱れ(分泌が不十分)であったり、黄体の機能不全であったりすることが挙げられます。
また、過少月経や過短月経がある場合、無排卵の可能性が考えられます。
過少月経と過短月経は、同時にみられることもあります。

月経不順(稀発月経・頻発月経)

月経周期が不規則で40日以上あくものを「稀発月経」、24日以内で次の月経が来てしまうものを「頻発月経」と言い、どちらも月経不順とされます。
稀発月経の原因は、強いストレスや過度なダイエットなどによるホルモンの乱れが考えられます。
また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)によって排卵が起こりにくくなっている場合もあります。
頻発月経では多い方の場合、1か月以内に2回月経が来ることもあります。
その分、出血量が増え、貧血症状がみられることがあります。
原因としてはストレスや更年期の乱れなどがあり、無排卵月経の際に引き起こされることもあります。
こうした月経不順は、甲状腺機能など病的なホルモン異常などが原因であることも少なくありません。

無月経

無月経とは、3か月以上月経が来ない状態です。
妊娠の可能性がある場合を除き、ホルモン分泌の異常や早発閉経、過剰な運動や極端な体重減少が関与していることがあります。
また多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの病気で起こる場合もあります。
このほか、18歳を過ぎても初潮が来ないという無月経では、子宮や腟の形態異常、女性ホルモンの先天的な異常などが考えられるため、お早めにご相談ください。

月経困難症(日常生活に支障をきたす生理痛)

月経時に強い下腹部など様々な症状が生じ、日常生活に支障をきたす状態です。
機能性(月経周期による痛み)と器質性(子宮内膜症、子宮腺筋症などの病気による痛み)に分けられます。
症状としては日常生活に支障をきたす生理痛、腰痛、頭痛、吐き気や嘔吐、下痢や便秘などの消化器症状、抑うつやイライラなどの精神症状などがみられることがあります。

月経異常に対しては、問診や基礎体温の確認、ホルモン検査、超音波検査を行い、原因を明らかにします。

治療法は、症状や背景疾患によって異なりますが、ホルモン療法(低用量ピル、黄体ホルモン製剤など)や鉄剤の補充、疾患に対する手術治療などを行うことがあります。

月経の異常は、女性の体調や将来の妊娠にも関係する大切なサインです。「いつもと違う」と感じたら、早めのご相談をおすすめします。

ご予約の際は、「婦人科検診・おりもの異常・その他の診察またはその他診察」を選択してください。

月経前症候群(PMS)

月経前症候群(PMS:Premenstrual Syndrome)とは、月経の3〜10日ほど前から心身にさまざまな不調があらわれ、月経が始まると自然に軽快・消失する症状の総称です。
女性の約8割は経験すると言われ、症状の程度には個人差があります。
すべての方に治療が必要というわけではありませんが、日常生活に支障をきたすようなケースも少なくありません。
その場合は、お気軽に当院までご相談ください。

PMSの症状は、主に精神的なものと身体的なものに分けられます。

精神症状

  • イライラしやすくなる
  • 気分の落ち込み、不安感
  • 怒りっぽくなる
  • 集中力の低下
  • 不眠や過眠
など

身体症状

  • 乳房の張りや痛み
  • 下腹部の張り、腹痛
  • 頭痛、めまい
  • 体重増加、むくみ
  • 食欲の増加、肌荒れ
など

原因は完全には解明されていませんが、排卵後のホルモン変化で起こると考えられています。
また、ストレスや生活習慣も悪化要因となることがあります。

診断は主に問診によって行われ、月経との関係を明確にします。
必要に応じてホルモン検査や血液検査を行い、他の疾患との鑑別を行います。

治療は、症状の程度に応じて行われます。
軽症の場合は、生活習慣の見直しやストレス対策、ビタミン・漢方薬などによる体調の調整を行います。

中等度以上の場合には、低用量ピルや黄体ホルモン剤、抗うつ薬(SSRI)などを用いた薬物療法を行うこともあります。

つらいPMSは我慢せず、ご相談ください。適切な治療で生活の質を大きく改善できる可能性があります。

ご予約の際は、「婦人科検診・おりもの異常・その他の診察またはその他診察」を選択してください。

不正出血

不正出血とは、月経時以外に起こる性器からの出血のことを指します。
月経周期とは無関係に出血が見られた場合や、月経が極端に長引いたり、予想外のタイミングで出血があったりした場合には「不正出血」として扱われます。
出血量や性状はさまざまで、少量の茶色いおりもののような出血から、生理と同じくらいの量が続くケースまであります。

不正出血の原因は多岐にわたりますが、以下のようなタイプがあります。

ホルモンバランスの乱れによる出血(機能性出血)

思春期や更年期、ストレス、過労、急激な体重変化などにより、排卵がうまくいかずホルモンバランスが崩れることで出血が起こります。
主な原因疾患:卵巣機能不全、月経異常、無排卵周期症、思春期や更年期の機能性子宮出血など

器質的な異常(良性腫瘍等)による出血

子宮や膣に何らかの病変がある場合、そこから出血が起こることがあります。出血の持続や量が多い場合は注意が必要です。
主な原因疾患:子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症、子宮頸管ポリープなど

悪性疾患や前がん病変による出血

不正出血が唯一の初期症状であることもあります。特に閉経後の出血や、性交後の出血は子宮頸がんや子宮体がんなどの可能性もあるため、早期受診が重要です。
主な原因疾患:子宮頸がん、子宮体がん、卵巣腫瘍、子宮肉腫、異形成など

炎症性疾患による出血

膣炎や子宮頸管炎、性感染症(クラミジア、淋菌など)によって粘膜が傷つき、出血が起こることがあります。かゆみやおりものの異常を伴うこともあります。
例:細菌性膣炎、萎縮性膣炎、子宮内膜炎、頸管炎、性感染症など

子宮膣部びらんによる出血

子宮の出口(子宮膣部)にびらんがあると、接触や刺激で出血しやすくなります。
月経がある年代の女性の約8割が、この子宮腟部びらんを有しているとも言われています。
若年女性では生理的なこともありますが、一般的にみられるもので、出血を繰り返す場合は要注意です。

妊娠関連の出血

妊娠初期には、着床出血や切迫流産・子宮外妊娠などが原因で出血することがあります。妊娠の可能性がある場合は早急な受診が必要です。
例:着床出血、切迫流産、流産、子宮外妊娠(異所性妊娠)など

診察ではまず、問診と内診、経膣超音波検査を行い、子宮内や卵巣の状態を確認します。
必要に応じて子宮頸がん検査、子宮内膜組織検査、ホルモン検査、血液検査などを追加し、原因を特定します。

治療は原因に応じて異なります。ホルモン異常が原因であれば、低用量ピルや黄体ホルモン剤で周期を整えます。
ポリープや筋腫があれば摘出術を行う場合もあります。
悪性の可能性がある場合は、速やかに精密検査や専門機関での治療が必要となります。

不正出血は、女性の体からの大切なサインです。たとえ少量でも、月経以外の出血に気づいたら早めの受診をおすすめします。

ご予約の際は、「婦人科検診・おりもの異常・その他の診察またはその他診察」を選択してください。

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮の筋肉の層に発生する良性の腫瘍で、成人女性の3〜4人に1人が持っているといわれるほど頻度の高い疾患です。
良性ではありますが、大きさや位置、数によっては症状が強く出る場合や、妊娠・出産に影響することもあります。

子宮筋腫は、発生する部位によっていくつかの種類に分けられます。

漿膜下筋腫

子宮壁の外側に育つ筋腫で、比較的大きくなっても症状が出にくい傾向があります。

筋層内筋腫

子宮の筋肉の中にできる最も一般的なタイプで、大きさによって月経過多や圧迫症状が出やすくなります。

粘膜下筋腫

子宮内膜のすぐ下にできる筋腫で、小さくても月経量の増加や不正出血を起こしやすく、貧血の原因になることもあります。

原因は、はっきりとはわかっていませんが、女性ホルモン(特にエストロゲン)の影響で大きくなることが知られています。
そのため、妊娠中に大きくなったり、閉経後に自然に縮小したりすることもあります。

症状は筋腫の場所や大きさによって異なりますが、代表的なものには以下があります。

  • 月経過多、月経痛、貧血
  • 不正出血
  • 下腹部の張り、しこり感
  • 頻尿や便秘(膀胱や腸の圧迫による)
  • 不妊(筋層内筋腫、粘膜下筋腫)
など

子宮筋腫は複数個できる場合が多く、発生する数や大きさは患者さまそれぞれです。

診断には、経膣超音波検査が有効です。必要に応じてMRIや子宮鏡検査を行い、筋腫の位置や大きさ、数などを詳しく調べます。

治療は、年齢や症状、妊娠希望の有無によって異なります。症状が軽ければ経過観察のみでよい場合もありますが、症状が強い場合には、ホルモン療法(GnRHアゴニスト、低用量ピルなど)や子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ)、手術(筋腫摘出術・子宮全摘術)などが選択されます。

子宮筋腫はよくある疾患ですが、放置すると生活に支障が出たり、妊娠に影響を及ぼしたりすることもあります。気になる症状がある方は、早めの受診をおすすめします。

ご予約の際は、「婦人科検診・おりもの異常・その他の診察またはその他診察」を選択してください。

子宮内膜症

子宮内膜症とは、本来は子宮の内側(子宮内腔)にのみ存在する子宮内膜組織が、子宮の外のさまざまな場所に発生・増殖してしまうことで様々な症状が起きる病気です。
月経のある女性の約10人に1人生理痛が毎月ある女性の70%にみられ、20代〜30代の、特に妊娠・出産を希望する年代に多く発症します。

異所性に発生した内膜組織も、通常の子宮内膜と同様に月経周期にあわせて反応し、出血を起こします。
しかし、子宮の外ではその血液を排出できず、周囲の組織に炎症や癒着、しこりを引き起こすことになります。

子宮内膜症が発症しやすい部位には以下があります。

卵巣

内部に古い血液がたまる「チョコレート嚢胞(卵巣チョコレート嚢腫)」を形成することがあります。

子宮と直腸の間(ダグラス窩)

強い生理痛や性交痛の原因になります。

腹膜、靱帯、腸管、膀胱、手術瘢痕部など

癒着や圧迫によってさまざまな症状を引き起こします。
たとえば膀胱で発症すると、月経の際に血尿が出るといった症状が現れます。

原因は明確ではありませんが、月経血が卵管を逆流して骨盤内に入り込む「逆行性月経説」などの説があります。
加えてホルモンや免疫の関与も指摘されています。

主な症状としては以下のようなものがあります。

  • 強い月経痛(年々悪化することも)
  • 月経以外の下腹部痛や腰痛
  • 月経過多
  • 性交時の痛み
  • 排便・排尿時の痛み
  • 不妊(卵巣機能の低下や癒着による)
など

子宮内膜症は子宮がんのように命に関わる病気ではありません。
ただし進行性の疾患であり、症状が徐々に悪化し不妊症や卵巣がん、妊娠合併症、糖尿病、高血圧の原因にもなるため、早期に発見し、治療することが重要です。

診断には、問診と内診、経膣超音波検査が基本となり、必要に応じてMRI検査や血液検査などを行い、成人前の女性では負担をかけないよう問診を省略しても診断は可能です。確定診断には腹腔鏡検査が行われることもあります。

治療は、症状や年齢、妊娠希望の有無によって異なります。
薬物療法としては、低用量ピルや黄体ホルモン薬(ジエノゲスト)、GnRHアゴニストなどのホルモン療法が用いられます。
重症例や薬で改善しない場合は、腹腔鏡手術による病巣除去や卵巣嚢胞摘出などの外科的治療を検討します。

月経痛が強くなってきた、痛み止めが効きにくくなってきた、不妊が心配などの症状がある方は、子宮内膜症の可能性もあります。早めのご相談をおすすめします。

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デリケートゾーンのトラブル

デリケートゾーンは皮膚や粘膜が薄く繊細で、外的刺激や感染に弱いため、かゆみや赤み、においなど、さまざまなトラブルが起こりやすい部位です。
かゆみや痛みだけでなく、見た目の変化やおりものの異常なども気づきやすく、日常生活のストレスとなることもあります。
早めの診察で、適切な対応を行うことが大切です。

主なトラブルの種類と原因疾患

デリケートゾーンに起こる症状には以下のようなものがあります。

かゆみ・赤み・腫れ

カンジダ膣炎(真菌感染)、エストロゲン低下に伴う萎縮性膣炎、接触性皮膚炎(下着・洗剤・ナプキンによるかぶれ)、汗や摩擦による炎症、外陰炎、アレルギーなどが原因となります。
かゆみや赤みが慢性化すると皮膚が厚くなる、色素沈着を起こすといったこともあります。

におい・おりものの異常

参考→おりものの異常

できもの・痛み

バルトリン腺炎や膿瘍、毛嚢炎、単純ヘルペスウイルス感染などが原因となります。
小さな腫れや強い痛み、水ぶくれ、潰瘍などが見られることもあります。

検査について

問診と視診に加え、膣分泌物の顕微鏡検査や培養検査を行い、細菌や真菌の有無を調べます。
性感染症が疑われる場合は、クラミジアや淋菌、トリコモナスなどのPCR検査や血液検査を行うこともあります。
必要に応じて、皮膚の一部を採取して病理検査を行うこともあります。

治療について

原因に応じて、外用薬(保湿、抗真菌薬、ステロイド軟膏など)や内服薬(抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬)を使用します。
カンジダや細菌性膣炎には膣錠を使うこともあります。
バルトリン腺膿瘍のように膿がたまっている場合は、切開して排膿が必要になることもあります。
治療中は刺激を避けることも大切です。

予防のためにできること

  • 通気性のよい綿素材の下着を選ぶ
  • デリケートゾーンを洗いすぎない(洗浄のしすぎは常在菌を壊します)
  • ナプキンや下着はこまめに交換する
  • 石鹸や洗剤、ボディソープなどの刺激物に注意する
  • 膣内の善玉菌を増やし環境を整えるサプリメントの服用
など

気になる症状がある場合は、恥ずかしがらずに早めに婦人科にご相談ください。
適切な検査と治療により、多くのトラブルは早期に改善可能です。

ご予約の際は、「婦人科検診・おりもの異常・その他の診察またはその他診察」を選択してください。